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一人親方の確定申告の仕方(ざっくりバージョン)
職人・・・良い響きです。
私にとって、「職人」を定義するならば、己(おのれ)の「技術」・「能力」・「経験」・「看板」・「人脈」で、どこに所属するわけでなく、自分の力ひとつで、自分の身を支える職業です。
一年間まとめて入力
職人ですから、自分の専門分野については、自信があるのは当然ですが、それ以外のこと、特に確定申告などの会計や税務手続きについては、苦手とする方は、少なくないかと・・・。
ここでは、できるだけ手間や手数をかけずに、「記帳から確定申告までの流れ」を紹介します。目指すのは、青色申告特別控除65万円の適用です。
確定申告するための順番
「所得」とは、税金を計算する上での「もうけ」のことです。これを青色申告なら「青色申告決算書」、白色申告なら「収支内訳書」で「所得」を計算します。
「所得」が求まったら、その金額を使って、税額の計算をします。
一人親方の場合には、「確定申告書B」という様式のものを使います。
「現金」は、なるべく使わない
記帳、会計処理において、煩雑になるのは、現金出納帳の記載になります。
ここでは、「現金」をいかにして使わずに記帳処理するか、ご紹介し、それが、経理処理を楽にする第一歩になります。
準備
- 事業用専用の銀行口座を作成します。(できれば、インターネットでも使える口座)
→ 事業に係る売上高はもちろん、仕入れや事務所・資材置き場の家賃、電気代・水道代などの光熱費、携帯電話料金などの支払いも事業専用口座から支払うようにします。 - 生活用専用口座→ 普段使っているものでよいですが、事業専用口座の銀行と同じ銀行同じ支店のものであれば、資金移動をする際に、振込手数料を支払うことは少なくなります。
- 事業専用のクレジットカードを作成する→ なるべく仕事以外の支払いは、このカードではしないようにします。(必要がなければ、作ることはしません。)
- 経費精算書を作成します。→ 経費精算書のダウンロード(従業員に立替え精算の際に使用)
売上処理
売上の入金は、現金でもらわずに、なるべく銀行振込にしてもらいます。
現金でもらった場合には、当たり前ですが、「領収証」を発行します。「領収証」は、100円ショップで販売しているもので十分ですが、複写式のような「控え」のあるものを選んでください。
売上代金をもらったら、時間をおかずに、全額を事業専用口座に入金します。※くれぐれも、手元の現金として使うことのないようにしてください。経理処理を煩雑にするだけです。
仕入れ・経費
銀行口座で振替可能なもの、例えば、電気料金・水道料金、携帯電話など、自動振替の手続きをします。(クレジットカードでもよいです。)
振込が可能な仕入代金などは、なるべく振込にします。インターネットバンキングであれば、時間も場所も選ばずに振込することができます。
クレジットカードでの支払いの場合には、発行されるレシートなどの領収証は、無くさずに別途保存をしておいてください。
小口の経費支払い
数千円程度の支払いであれば、事業主がポケットマネーから経費を立替えてください。ガソリン代、現場での飲み物、ちょっとした工具などは、現金で支払った方が早いです。
事業主が立替払いした「経費」については、ひと月分まとめて、「経費精算書」に記載します。月が終わったら、「経費精算書」を集計し、生活専用の口座に資金移動します。(ネットバンキングだと楽々ですね。)生活費と一緒に振り込めば、一回で資金移動は済みます。ここまでが日常の作業です。
現金出納帳を作成する手間もなくなります
現金売上の業種でも、規模によっては、こうしたやり方は可能です。事業用の財布とプライベートの財布を分けている事業主は、おそらく皆無です。
だから、ごちゃごちゃになり、しかも、経理処理を複雑にさせる原因にもなるわけです。ですから、なるべく現金での取引を少なくすることが経理処理を楽にする近道になります。これを基に、記帳処理、会計ソフトへの入力になるわけです。
会計ソフト
使いやすいと思えるものであれば、何でも構いません。あえて言うのであれば、「JDL出納帳」、「やよい会計」でしょうか?
入力について
ここからは、多少の簿記の知識が必要となります。よく聞く声として、
- 会計ソフトを使ってみたはいいけど、あっているか分からない。
- 言葉(用語)の意味が分からないので、何をどうすればよいのか、分からない
- サポートに電話しても、つながらない
最近の会計ソフトは、簿記が分からなくても簡単に記帳できるものがありますが、何の知識もなく使うことはできません。これを言っちゃおしまいよ…という感じですが、できれば、日商簿記検定3級程度の勉強はしておいて、損はないと思います。お客様で入力したものを見てみると、そのほとんどが、「よくこれで税務署通るものよな・・・」というのが正直な感想です
一年分をまとめて入力する際のおよその手順を説明します。
売上
- 請求書から「掛売上」として入力します。
預金に入金があったら、「掛け代金の入金」として入力します。
「日付」、「金額」、「取引相手名」、「商品名」などを記載します。
「日付」は、請求を出した日付が基本です。通常、工事などが完成したと同時に請求書をだしますものね。だから、請求書の日付で記帳してください。 - 現金売上については、領収証を基に「現金売上」として入力します。
仕入・外注費など
- 相手側発行の請求書から「掛仕入れ」として入力します。
預金などから支払ったら、「掛け代金の支払い」として入力します。
「日付」、「金額」、「取引相手名」、「商品名」などを記載します。
ひと月分まとめての請求書であれば、その請求書の「日付」を入力してください。 - 現金仕入れについては、もらった領収証を基に「現金仕入れ」として入力します。
経費の計上
- 「経費精算書」を基に、経費の計上をしていきます。
経理上、事業主個人が経費を立替えたという入力をします。
だから、お店(個人企業)側からすると、事業主に経費を一時的に立替えてもらったということになります。
だから、経費は発生しているけど、まだ事業主に支払っていない。つまり、未払いということになります。あえて、仕訳でいうのであれば、経費/未払金となります。 - 立替えてもらった経費を支払うときは、「未払金の支払い」として入力します。
預金出納帳の入力
- 通帳の記帳に従って、入力します。
この時に、入金項目だけを先に入力し、その次に出金というふうに分けて入力すると、多少効率はよいかもしれません。
決算整理
- 決算整理と呼ばれるものがあります。
「棚卸し」や「減価償却費」などの入力を行います。「棚卸し」については、きちんと在庫を数えて、それに単価を記入し、「棚卸表」を作成します。その「棚卸表」の合計額を基に「棚卸」の入力を行います。
減価償却費については、会計ソフトの指示に従い、減価償却資産を適正に入力すれば、自動で計算してくれるものがあります。国税庁の「確定申告書作成コーナー」で、減価償却資産を間違いなく入力すれば、こちらでも、自動計算してくれます。
会計ソフトは万能ではない
残念ながら、会計ソフトがあれば、簿記の知識はゼロでも、記帳ができるというわけではありません。
日商簿記検定3級くらいの知識は、少なくても必要です。
任せることも悪いことではない
職人は、得意とすることでお金を稼ぎます。逆に、得意でないことには、苦痛を感じることも多いのではないでしょうか。
青色申告特別控除65万円を適用できると、所得が500万円の方だと、20万円近く所得税と住民税を合わせて、節税になる場合もあります。
このサイトは、税理士のホームページです。税理士報酬が年一回の確定申告だけで、20万円を超えることは稀です。「ご自分で挑戦したけれど、どうしても難しかった・・・」という方は、今すぐお問い合わせください。
佐藤税理士事務所に依頼するメリット
- 確定申告書を作成する時間、税務署に行く時間が節約できます。
(税務申告のために仕事を休むということがなくなります。) - 有利な規定を漏れなく適用することができます。結果的に、節税につながります。
- 計算の誤りが少なくなり、後日税務署に行かなければならないことがなくなります。
- 電子申告をすることで、税金の還付が早くなります。
- 消費税の計算などを事前にすることで、納税資金に困ることが少なくなります。
- タイムリーな税金に関する情報を手にすることができます。
- 銀行から事業資金などを借りる時に、税理士の署名がある決算書の方が信用が得られやすい。
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