「法人成り」のご相談 – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所
個人事業から法人に事業形態を替えることを「法人成り」と言います。
個人の確定申告が終わる3月後半から5月くらいにかけて、法人成りのご相談を受けることは少なくないです。
個人と法人の何が違うのか?
事業内容も業種も事業主も変わらないのですから、その実態は、何も変わっていない・・・といってよいでしょう。
しかし、法人になるだけで、なんとなく、信用がありそうに感じませんか?
株式会社って冠をかぶるだけで、なぜか、信用できそうに思えるのはなぜでしょう?
理由のひとつに、株式会社というだけで、それなりの規模の会社を連想するから、ということもあるでしょうか?
最低資本金制度があった時は、株式会社と名乗れるのは、最低でも、1千万円の資本金が必要だったわけで、
それなりの規模・・・だったこともありました。
最低資本金制度以前の、有限会社、これが小規模な会社をイメージさせるのに対して、株式会社というと、大きく感じる・・・名残りというのでしょうか?
そんな意味でも、「株式会社」というだけで、聞えは悪くありません。
そして、個人事業であれば、自分で確定申告することは可能です。
しかし、法人では、自分で決算を組み、申告までしている・・・というところは、少数派で、そのほとんどが税理士などの第三者に決算から税金の申告を依頼している。
それがために、法人の方が個人事業に比べて、「信用がある」理由と言えるかと思います。
正直なところ、個人の申告書を見てみると、銀行預金の残高があっていなかったり、
貸借対照表なんて、ほぼ適当な数字を当てはめていたり、
「よくこれで、税務署通っているのね・・・」と半ばあきれるものまで見受けられるのが現状で、
融資をする金融機関で、「個人の申告書は、信用ならん!」と言われても不思議ではない。
それに比べて、法人は第三者の目が通っているという意味でも、「信用」に値するのであろう。
個人的には、法人の最大のメリットは、「信用」だと思っています。
その「信用」を味方にして、取引先を拡大したり、
個人では貸してくれないような物件であっても、法人なら・・・という物件も手に入れることができるし、
求人についても、優秀な人材を採用する足掛かりにもできる。
だから、現状からステップアップするためであるのなら、法人化すべきだと個人的には考えています。
ただ、デメリットも少なからずあります。
税理士に支払う報酬も安くはありません。
登記するにもお金がかかります。
個人であれば、辞めたいときは、費用負担はあまりかからず、辞めることはできますが、
法人では、辞める時にも、登記しなければならず、お金もかかります。
どちらがよいのか?
法人の方がよいようなことばかり書いてきましたが、私は、個人事業は嫌いではありません。
仕事を頑張った分、すべてが自分のもの。
このダイナミズムは、法人では味わえません。
税理士法人を作ることができても、それを考えていない・・・のは、この醍醐味があるからかもしれません。