財務にもっと関心をもって! – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所
わけがあって、うちのお客さんではないけど、お話しする機会があり、
いろいろと問題がみえてくる・・・。
詳細は書けませんが、小売業で品ぞろえが勝負といえる業種です。
ものすごい在庫の量でした。
会計的に言えば、在庫は少ない方が望ましい。
でも、そこの会社は、多くの在庫を抱えていることで、お客さんからの支持を受けているので、
いかにら商品ラインアップがそろっているか、そこがその事業のキモと言えそうです。
相当な量ですから、それだけを抱えていられるだけの資金が必要です。
業績も好調だということですが、それ相応の借入金もあるようです。
で、会社の利益はというと、役員報酬で取りきってしまい、ほぼトントンとのこと。
ということは、借入金の返済は、おそらく役員からの借入金で返済しているものと思われ・・・。
その役員からの借入金の原資は、といえば、会社からの役員報酬からでしかなく、
実のところ、所得税を支払って、返済にまわしている・・・のと同じこと。
社歴もそれなりに長い会社ということですから、役員からの借入金は、相当な金額になると思われ、しかも、それは将来の相続財産と言うことにもなります。
こうした、在庫を多く抱えるビジネスの場合、資金繰りが勝負となってきます。
管理すべきは、日々のお金の流れと、在庫の管理。
お金の管理で言えば、売掛金の回収状況、仕入れ代金の決済、そして、日々の棚卸の管理と不良在庫の処分。
ちょっとした立ち話程度でしたので、こちらからは指摘しませんでしたが、そのあたりの管理はどうしているのか?
財務的に大きな問題があるように思えてなりません。
顧問である税理士さんは、どこまでお話しているのか、分かりませんが、税金が最小になることを是とする感じの方のようです。
法人税率も以前に比べると、かなり下がってきました。
法人税の実効税率もさらに下げるという議論もあるようですが、中小法人であれば、すでに一定の金額までならば、個人で取りきるよりも、法人で納税した方が納税額は少なくなることもあります。
役員報酬で法人も利益を取りきることが節税という時代ではすでに無くなっています。
税金は会社経営にとってリスクの一つではありますが、
そればかりでなく、もっと財務に関心を向けてほしい。
会社にとって、理想的な財務はどんな形なのか?
現在の問題点は、どんな所にあるのか?
管理すべき数値は何なのか?
税金が最小になることばかりに目が奪われていたら、潜在化している問題が何も解決しない。
税理士ももっとお客さんに財務からの助言をすべきでしょうね。
自戒を含めて・・・。