2012-10-31

慌てない・・・ – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所

「相続税って、増税されるのですよね?」

「何かしら対策を立てなければと思って・・・」




先日、都内にビルを構えるオーナーさんからご相談を受けた。

最近、本屋でよく見かけるそうです。

いわゆる「相続本」を・・・。

で、実際に購入して、お勉強をしたようです。


増税の方向で議論されているのは事実です。

決まったわけではないですが、そうなることも視野に入れて、関心を持って勉強したり、実際に行動することも悪いことではありません。

だけど、慌てないで、熟慮の上で行動してもらいたいです。


冒頭のご相談のあったお客さんですが、相続税対策として、一般的ですが、「贈与税の配偶者控除」という規定を使って、


居住用財産の一部を奥さんに移転しようと考えました。


これを適用すると、贈与税は非課税となります(一定の要件は必要です。)が、地方税である不動産取得税や登記に係る登録免許税は課税されます。


贈与税は非課税だとしても、申告が必要だし、不動産取得税もそれなりの金額になりますから、


そうした負担以上に相続税が安くなる(節税効果がある)のであれば、適用すべきでしょう。


で、その試算をしてよ・・・ということで、私に依頼がありました。

都内で、駅から数分の閑静な住宅街。

その評価額は、基礎控除額をはるかに超えました。

しかし、マイナスの財産である借入もそれなりにありました。

バブル期にお金を借りて建築したので、借入金もそこそこ大きな金額です。

ざっくりとですが、その他の財産債務の聞き取りをし、相続が今すぐに発生したと仮定して、相続税額を計算すると・・・、

納税額はゼロ。

結論として、「贈与税の配偶者控除」の規定を適用せず、財産の移転を行わないことにしました。


相続本や声が大きい税理士などのいうことを鵜呑みにしてはいけません。

そもそも、相続税の増税だって決まったわけではないのです。

また、例え改正されたとしても、どう改正されるのか、分かりません。

現行法では、節税策として、ベストの選択なのかもしれませんが、それが将来にわたり有効だというわけでもないのです。

「慌てる乞食はもらいが少ない・・・」

慌てず騒がず、よく勉強しよく理解してから、行動に移しましょう。

右から左にモノを動かすように、不動産などの大きな財産を動かすことは、簡単なことではありません。

慎重に判断し、ベターな選択が望まれます。

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