2016-11-15

中小零細事業者は、長時間労働はあたりまえ? – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所

長時間労働が招いた過労死が問題になっているようです。

月200時間を超える残業、3か月以上休暇もとれず、30時間連続就業など、どれもこれも尋常ではない…。

「やめてしまえばよいのに…」と考えますが、そんな思考する力も奪っていくのが長時間労働なのだそうです。

うちも仕事がら、毎年2~3月にかけて、長時間労働、休暇なしの期間があります。

どんな業種でも、繁忙期はありますが、税理士業界の繁忙期である確定申告は、3/15が期限ですので、終わりが見えます。

だから、なんとかその時期だけなら頑張れるという、ところはあるのかもしれません。

電通の社員さんの過労死に端を発し、社会問題に発展した長時間労働の問題ですが、

中小零細事業者の場合は、どうでしょうか?

資本に余裕のない零細企業は、ギリギリの人員でまわしており、経費の中で、一番大きな支出である人件費を削るために、

経営者自らの時間を最大限に使っていくしかなく、自らの長時間労働や休暇なしなんて、珍しいことではなく、

日曜日であっても、仕事が入れば、仕事が優先となり、体を休ませる時間、家族との時間を犠牲にし…、

そんな感じのところばかりでないでしょうか。

従業員に長時間労働を強いたとしても、もともとの時給単価が高くなく、サービス残業など強制したとしても、辞められてしまうのがオチ。

ただでさえ人手不足のなかですから、辞められてしまうと、仕事そのものが回らなくなってくる。

とはいえ、仕事の単価が伸び悩んでいる現状では、時給単価を引き上げる余裕もなく、

結局は、経営者自らの体と時間を使っていくしかなくなって。

経営者自らが長時間労働による過労死って、聞いたことはないですが、見えていないだけで、あるでしょうね。

個人経営者の多い飲食業なんて、長時間労働の典型ですものね。
働かないと、食べられないので、長時間勤務であっても、やっていかなければならないのです。

労働者を守ってくれる法律や制度はあるけれど、経営者を守ってくれるものはなし…。

この問題を解決するには、構造的なものを抜本的に改善するしかなく、せめて、税理士くらいは、経営者の味方にならなければ…。

前後の記事

お問い合わせ