いつから・・・(消費税増税への準備①) – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所
「消費税の増税が予定されているのは知っていますよね?」
うなづく聴衆。(←といっても、12,3人ですが(笑))
「では、いつから増税になりますか?」と尋ねた途端、一同首をひねったり、下を向いたり・・・。
来年から課税事業者となる個人事業主を中心に、「消費税のあらまし」について説明しました。
たった2時間で、消費税の概要から計算の仕方、届出書、記帳の仕方、納税の準備まで説明して・・・ということでしたので、ポイントだけをしぼって、ざっと話をさせてもらいました。
消費税は、預かり税金ですから、事業者にとって、本来得にも損にもならないものです。
だけど、仕入先への支払い、給料の支払いなどで、手元資金が乏しければ、預かっている部分(税金)であっても、お金に色が付いているわけでないので、
当座の資金に回してしまう・・・なんてことは、珍しい話ではないです。
そもそも、消費税分を納税資金として、別管理しているところはどれほどあるのでしょうか?
個人事業主などの小規模事業者は、年に一回税務申告の時にだけ、決算書を作って、その時になって初めて納税額を計算します。
で、その納税額にビックリして、慌てて家中のお金をかき集めてなんとか納税・・・なんてことも少なくないと想像できます。
それが、一年半後には、8%に、二年後には10%に税率がアップすることが予定されています。
なので、私が描くシナリオはこんな感じ。
今まで通り、年1回だけ税務申告の時期だけ、決算書を作成し、納税額を計算していたところは、その消費税の納税額に目を丸くする・・・。
「とてもとても、こんなお金は手元にない・・・」
そりゃ、そうです。
だって、これまでの倍の税額なのですから。
そこで、税務署に相談し、分割の納付にしてもらう。
そこまではよかった・・・。
しかし、税金を滞納していることで、一番に困ることは、新規の融資を受けられないことです。
チャンスが来ても、お金を借りて、レバレッジをかけることも出来ず、ただ歯ぎしりするだけ・・・。
我々商人にとって、もっとも知りたいことは、世の中がこの先、どうなっていくのか?という未来。
未来が分かれば、それに対応するために準備をするのです。
「その時」に起こることだって、容易に想像することができます。
予想できる未来に対応することは可能です。
にもかかわらず、目の前のこと、直前のことに目を奪われ、「未来」に対する準備が不足しているように感じます。
「その時」には、売上が落ち込む業種が大半でしょう。
でも、それも織り込んで考えている人はどれほどいるでしょうか?
うちのお客さんは、そのほとんどが冒頭の質問に回答できます。
だって、税理士がうるさいんだもの(笑)