簿記検定のススメ(65万円控除の壁) – – 東京・日野市の税理士 佐藤浩崇税理士事務所
青色申告で、その取引を複式簿記で記帳し、それに基づいて、決算書を作成すると、儲けから65万円オマケしてくれる制度があります。
これを青色申告特別控除といいます。
これを適用するには、簿記の知識が必要になってきます。
節税効果として、所得税の税率区分が最低の5%であっても、住民税と合わせて、約10万円近くの節税になります。
所得に連動して、国民健康保険料もその金額が変わってきます。
10万円稼ぐのって、楽ではないです・・・。
だからこそ、こういうところで、地味ながら節税するのが、私は王道だと思っています。
特に、経費のあまりかからないアパート経営(事業的規模に限ります。)やタレントさん、デザイナーさんなどは、65万円控除できるか否かで、税額が大きく変わってきます。
さて、それでも、簿記を理解していなければ、青色申告特別控除を適用することはできません。
そこで、素朴な疑問、簿記って今でも人気あるのかな?
そういえば、簿記学校って、昔ほど見かけなくなった気がして、もしかして、日商簿記検定の受験者数も減少しているのかな・・・と調べてみました。
年によってばらつきこそあれ、全体としては、緩やかにですが、増加傾向にあるようです。
10年前の平成14年では、約20万人の受験者数。昨年の平成24年では約23万人(日商3級)のようです。
勉強時間も短く、しかも手軽で、履歴書にも書きやすい日商簿記検定は、今も昔も変わらず人気といえます。
でもね、簿記って、やらないと忘れてしまう・・・というような代物で、いわば、車の運転と同じ。
経理や財務の仕事をしているのであれば、毎日当たり前のように「簿記」に接しているわけで、忘れようがないですが、
一年に一回の確定申告の時期だけ・・・なんて方が忘れてしまうのも当然かもしれません。
それでも、安価な会計ソフトが出回っていますから、それを使えば、楽々記帳完了と思われるかもしれませんが、そういうわけには、実は行きません。
ほとんどが、その用語の意味が分からず、そこで躓き、また入力してみたものの、そこに表示されている数字が正しいのかも分からず...。
多少の簿記用語や決算整理でどんな経理処理が必要なのか?
最低限、理解していないと、会計ソフトがあっても、記帳できない・・・というのが実情です。
パソコン音痴の私にとって、IT関係の言葉が外国語に聞こえるのと同じように、簿記を知らない方にとって、
簿記の言葉は、外国語なのでしょうね(笑)
でもね、わからないながらやってみて、一度、しっかりと日商簿記3級程度を体系的に勉強すれば、
すべてのバラバラだった知識がまとまり、簿記というものが、それほどハードルの高いものではないことがわかるはずです。
日商3級であれば、一日1時間程度、2週間くらい勉強すれば十分ですし。
「商売人であれば、まずは簿記の知識」といわれた時代があったようです。
車の運転も、カンさえ思い出せば、すぐに運転できるようになるのと同じように、簿記もやりだせば、勉強した記憶がよみがえるもの。
ちなみに、うちのお客様で、一番もうけの多いところは、社長自らが、帳簿をつけています。
日商簿記検定2級を持っているお客さんです。